【ハローあおい】小岩菖蒲園で撮ったポピーの写真から、ステンドグラスを作る
前回投稿した「小岩菖蒲園、たそがれどきの花菖蒲の写真の思い出」で撮り貯めた写真は、花菖蒲の他にもポピー、あじさいなどがあった。
当時、小岩菖蒲園と江戸川との間の河川敷にポピーが植えられていたので、そのポピーも良く撮った。
その写真の一枚から、数年前にポピーのステンドグラスを作った。
作成手順は、次の通りだった。
<1日目>
1. 選んだ写真をスキャナーでパソコンに読み込む。
2. 自社開発の「CAD・CAMによるステンドグラス加工システム」を使って
1 区分けトレースをする。(区分けCAD)
ここで製品サイズを入力する。今回は600ミリX400ミリです。次に、ステンドグラスにしたいところだけ、トレースして区分ける。方法は、線分または円弧の図形要素で、区分けながらトレースする。
下図の輪郭を形作る白線は、区分けトレースした区分け線です。
右図の白線上の白点は図形要素と図形要素の接点です。ですから白点と隣の白点の間は、線分または円弧です。
線分は、両端点の座標で表され、円弧は、円弧の中心と半径および開始角度、終了角度で表します。どんな円弧の値でも計算で求める。
なぜなら座標値は、トレース時にクリックした点と製品サイズとの関係で決まる。こうして、区分け線は、図形要素の集合で表せます。
以上が、形状データの基本的な考え方です。
今回は、区分けトレースの結果、151個の図形要素で区分けている。
白点と白点との間の円弧または線分が151個ある、と云うことです。そして一つのピースは、平均して10個の円弧または線分で形作られる。
2 ピース作成処理
区分け線の形状データから、ピースを自動抽出する。
この自動抽出処理のアルゴリズムは、現時点ではマル秘です。
処理後の下図中の数値は、自動的につけられたピース番号です。また、この時ピースとピースの間隔を指定します。今回は3ミリです。
これで、個々のピースの形状データができます。
今回は、製品サイズの長方形内部全体の区分けピース数は29個ですが、不要な5個削除して、作成する有効ピース数は24個です。
3 多角形化シュミレーション処理(多角形化CAM)
最適な多角形状を決定する。
このアルゴリズムが特許の中心であり、多角形化処理全般が、当社独自のアルゴリズムだが、現時点ではマル秘です。
4 NCプログラム作成処理
カッティングホイールによる切断用のNCプログラムとコアドリルによる研削加工用のNCプログラムを作成する。
5 カッターパス処理
ここまでが半日、午前中の仕事だった、と思う。
3.型紙とガラスの材料取り、治具にガラスを取り付けるなどの加工準備に、午後半日の仕事です。ここまでで1日目です。
<2日目>
4.NC工作機械で加工した。
24ピースの加工で、一日仕事だった。
<3日目>
5. 治具からガラスピースを取り外し、洗浄する。
6. 一枚のガラス板に、ガラスピースを接着する。
これで、完成です。3日仕事だったと思います。
当時目的が、自由形状の加工精度の検証だった。、
詳しいことは、ホームページを見て下さい。
こんな加工テストを20件ぐらいしました。5~7年位前の話です。
投稿日:2009年06月01日