【ハローあおい】あかぼり蓮園。蜘蛛の糸と滴の蓮葉物語はネット社会にも見えた
旧サイトのリニューアルアップも一段落したので、昨春から中断していた赤城山南東方面の花の写真撮影を再開する気持ちの余裕も生まれた。
新サーバー契約も100GBになり、一杯になっていた旧サイトの2GBを移植しても有り余っている。なので、投稿する姿勢を示すこと、と自覚している。これも面倒なリニューアル作業を請け負ってくれた外注先(サイト開発)の金井様のお陰と感謝している。しかしながら、77歳になろうとしている自分を客観視すると、変な爺さん、そのものだろう。撮影には怪しまれない様に注意しなければ、と行動を慎むことにしているが、いざとなると守れるかどうか甚だ?なのだ。
ときに、再会の手始めに、あかぼり蓮園に6月11日に行く。久しぶりに見る光景は通路などの補修が進む一方、通行止めの部分も相変わらずだった。で、肝心の蓮田が病んでいるようで、咲いている花数も極端に少なかった。
以前は通路際までぎっしりと咲いていたが、雑草に負けて箱庭のようなこじんまりした花のない侘しい景色も所々に見えた。それを切り撮ってパチリ。
こちら、少しましな場所を選んで花がポツン、と一本だけ咲いているところを、パチリ。日に日に雑草に浸食されてゆくのが痛ましい自然回帰の姿だった。果たして、来年は・・・。
数少ない蓮花を見つけ、来た甲斐があった、とホットした何とも歯痒い気分に襲われた。咲き乱れている光景が続くものと不安も感じず当たり前に思っていた以前と違った維持管理の尊さを知ったせいだろう。
どう撮ろうか眺めていると影とのコントラストに魅かれ、つぼみの蓮にフォカスし花や蓮葉模様、茎などをレイアウトし図案ぽく撮ることにして、パチリ。蓮のいろいろな姿を一枚に撮り込もうとした欲張った写真を狙ってみた。
盛りを過ぎて花弁も散り始め五弁のようになった蓮花を影もいれてアップでパチリ。メシベの花托も青から黄色へと実を結び始めている。周りの黄色いひげのようなオシベは役割を終えて花弁と共に散ってゆくシーンは感傷的な思い出と重なって悲しみを連想させることも多いが癒しにもなる。
目を凝らし蓮田の奥を覗くと、蓮葉の上にキラキラ光る沢山の小さな滴と底に貯まった大きな塊が。それを撮ろうと、滴にフォーカスして一気にパチリ。一息入れて改めて見渡すと、左上に蜘蛛がいる。
それは滴を蜘蛛の糸でつないでいるようで水晶の数珠にも見える清廉な光景に映った。ふと、芥川龍之介の蜘蛛の糸が頭をよぎったが、この光景は地獄の釜の様子ではなく極楽のイメージ。むしろ、インターネットのWWWの意味でもある蜘蛛の巣のように滴をノード(節)にして張り巡らされたネットワークを象徴しているネット社会にも例えられそうだ。現代らしい極楽のイメージ、と一瞬思ったが間違いで、虎視眈々と獲物を狙う見えない危ない罠(ネット)の臭いを強くした。改めて、この光景の極楽とも映る素晴らしさに感じ入った。
投稿日:2018年07月15日